書庫の中の秘密基地
宮崎を早く出ようと思ったが、小雨大雨の波が続き出るに出られずホテルのロビーでウェザーニュースとにらめっこをして13時。
雨の山場を抜けたようだけど細かい雨は降っている。
宮崎から宇城までは山を抜ければそんなに遠い距離でもない、というかグーグル先生が出してくれているルートはまさに山越え。
もうそれしかないわけだから晴れることを祈りつつ出発。
大体3時間半くらいの道のり。
曇り空からはぽつぽつと漏れ落ちてくるような天気だけど不思議な広い平野にだだっ広い道はこんな風景でも見ごたえはある。
山に雲が乗っている方向へ道は進んでいて多分あの山を登るのだろう、、
結果やはりというかもうほんとに山を登っていくことになる。
なんだか「天空の」という名の付く場所を今回いろんな場所で行ってきたな、なんて思い出して
今回も雲の上にいく、雲の中は前も見えない霧になっており、路面は水浸し、5m先が見えないほどの濃霧。
こんなところでコケてレッカー待ちの旅終了なんてしたくない。
かなりスピードを落としてもブレーキが利かずひやひやしながら峠をやり過ごしようやく道の駅に。
とにかくいったん休憩をしないと、緊張で気づかなかったけど全身びしょぬれ、トイレも行きたくなり、止まった道の駅は五木、
流れてくる歌が懐かしい感じの子守歌で、五木の子守歌の発祥の地らしい。
なんだか聞いたことある。。ねんねんころりよと歌いまわしが似ている感じ。
この山を下りれば宇城、また気を張りながら50分走れば到着なわけです。
走っているところに拠点から心配の電話が来る。
インカムをつけていたので走りながら返答をしてあとちょっとでつくのですみませんお待ちください。とお願いをして
ようやく到着。
オーナーさん家守さん、お友達などが集まっており、ご挨拶を軽くさせていただいたのちバイクを駐輪。
バイクも自分もドロドロになっていて、とにかく疲れた。。
戻ってオーナーさんの話を聞きながら和やかな雰囲気の拠点に安心をする。
中はかんまち文庫という書庫になっており、その奥にあるうち庭の横にある部屋が今回の拠点。
ザ和風。 家守さんも言っていたけど冬はめちゃくちゃ寒いらしい。
確かに渡り廊下とふすまだけだから冬を越すのはかなりきつそう。この時期に来れてよかったのかもしれない。
かんまち文庫での生活
オーナーさんと家守さんは別の場所に住んでいるので基本自分ひとりの生活になる。
もう一人オーナーさんの友達が上に住んでいるが生活時間帯があわず会うことはない。
拠点は見てわかる通りかなり古い建物で、増築改築を繰り返してできた形になっていてところどころが痛んでいて
畳の下の木も腐っているのかフカフカになっている。
キッチンの床も抜け落ちそうな部分があり怖い。
ただ誰もいないのに生活感がある感じが微妙に怖く、勝手に掃除と整理をする。
基本的にはお爺ちゃんち的な感じなのだけど、ここはアドレスの拠点だし使い勝手の悪そうなところは直せる部分はやっちゃおうという感じでした。
まあ仕事タイムになったら外出れないしね。
ただタバコを吸いに外に出ると、オーナーさんのお友達や、隣の新聞屋さんと毎日顔合わしてなんだかご近所さんづきあいみたいなのが始まって楽しかった。
新聞屋さんからは卵をもらったり、オーナーのお友達さんが持ってくる無人販売の野菜を買ったり。
あとは家守さんのお友達で、もともとアドレス会員で、自分でゲストハウスをやり始めたKさんのところに遊びに行ってお酒を飲んで、住み着いたグラフィックデザイナーさんや外人さんとも仲良くなったし一緒に飲んだご近所さんもバイク乗りでおすすめの道やスポットも教えてもらう。
家守さんがやっているイノシシの解体から作ったソーセージだったりをいただける宴もありで、なんだかんだ飲んでたな、
今までの拠点にはない面白い生活ができた。
休憩時間散歩をしていると車で通りかかった新聞屋さんに「ここら辺歩いてる人は珍しーの~」とニコニコ声かけてもらったり。
生活の後半二階に住んでいる謎のおじさんと会う機会があり自分が仕事をしている場所が楽器置き場で練習をし始めた人がその一人だった。
なんだかんだちょこちょこ会うようになり「人と会うのが苦手」という割にはいろいろ話してくれて楽しかった。
雨の中を通ってきた割にはいい天気が続きのんびりした街が好きになったな。
色んな人が声をかけてくれたからかもしれない。
メンテナンスと熊本ツーリング
佐伯でブレーキのエア抜きをしてもらったものの九州の標高差はディスクブレーキの放熱が間に合わないのかまた若干エアを噛んできている気がする。
あとはエンジンからの異音。と言ったら大層だけどシャリシャリ音がする。
このバイクともいろんなところを旅してきたから大体何の症状かわかる。 オイルが減ってきている音。
どっちにしろ気にはしていたので洗車をしてから熊本まで30分走りにりんかんへ
オイル交換を済ませてメカニックさんから「半分しかなかったですよ、、」と言われ、対処の方法や色々聞くも走行距離的に折り返し地点だから、いろいろ出てくると思いますよ。との事。 たぶんそうだろうな、2008年のバイクだし、馬鹿みたいにいろんな所走ってるし。
取りあえずはオイル交換もしたことだし、今のところ不安材料といえばタイヤだけ。
ただこれはもう取り寄せになるので一旦関東に帰ってから交換することにした。
宴でドカティオーナーのご近所さんから教えてもらったパワースポット幣立神宮へ向かう。
調べたけどなんだかすごいパワースポットらしい、と言ってもそういうの感じたことがないのでちょっと見てみようという感じですが
着いたらまた雨。 やられるなー、、まあでも山間部だし自分がどうこうじゃなくて雨の降りやすい場所なんだろうな。
熊本のへそで、始まりの神々がおまつりされている所との事。
「呼ばれた人しか行かない」らしく、そういう風なことが好きな人にはそうなんだろう。呼んでくれたというなら宇城のご近所さんだし。
ただまあ小さな神社だけど厳かな雰囲気はあって、お詣りしてよかったかな。
後で調べたら祀られてる八大竜王は雨乞いの神様らしい。呼んでもらったのかな?
とはいえ長い階段を下りて雨宿りするも終わらず、仕方なく雨の中次の場所へ向かう。
すべてはご近所さんの意のままに。
霧雨の中40分ほど走り次は地鶏で有名な「らくだ山」という場所に。
一人客は自分だけで他は家族や複数人で来ているお店、しまった、、間違ったかな、、と思ったけども雨の中動きたくないしここまで来たら行くしかない。
30分ほど待って自分の番が来た時に皆さんお持ち帰りをしている。
持ち帰るほどおいしいんだ、、とおもって自分の番が来て定食をいただくことにすると
やべえ、、鳥 めちゃくちゃかてえ、、
嚙みちぎれないほどの鳥の弾力。
そうか、おじいちゃんコレ無理よね。。俺も無理だもの。。
とお盆を見るとハサミがあり、きっとこれで細かくして食べるんだろうな。
噛めば噛むほどおいしいのでぞれはうれしいのだけど、そう考えるとこの量は多いな、、
まあこれも経験。こういう鶏があるってことを知らなかったわけだし。
と、囲炉裏の前でちょっと休憩をしつつグーグルマップを見ると「行ってみたい」マークが近くにある。
なんだこれ、、と思っていたら前にツイッターかインスタで見たいい感じの神社が15分位いったところにある。
あらー、、お導かれ。
バイクでシュッと行くと「上色見熊野座神社」に到着。
灯篭が立ち並び、長く続く階段の先には鳥居。
いやーここも来れてよかった。
自分以外の若い人もどうやら目的は同じようでいろんなところで写真を撮ってました。
詣でも済ませて駐車場に戻ると工事のおじちゃんが「東京からか。。コロナ大丈夫か?」と
あーまた来たよ、 元気にずっと旅しててもう東京いないんですけど何か悪いことありますか?と聞くと
「。。。」と。
なんも言えないなら言ってくんな。
心配なのわかるけどね。いちいち近づいてきたら意味ないでしょ。
そんなこんなでグーグル先生に帰り道を教えてもらいながら走るとこれまた偶然にもご近所さんのおすすめスポットのケニーロードに突入。
やばい、、ご近所さんの手のひら、、
元々は違う名前だったんだけど、ケニーロバーツという有名なライダーさんが熊本に越してきてここをよく走ってたとのこと。
確かにいいワインディングで徐々に上っていく感じが気持ちいい。
ただ天気は曇りなのでまたもや山頂近くになると霧に突入。
晴れた日は最高なんだろうなー、バイクも本調子じゃないし仕方ない。 これはまた今度だな。
なんだかんだ楽しい熊本ツーリングでした。
次の日は洗車。
思ったこと
オーナー、家守さんが仕事を持っていて週に一回くらいしか来れないから仕方がないことなのかもしれないけど、拠点としてはもっと手直しが必要な場所だと思う
他に部屋もあるのに拠点に泊まれるのは一人だけ。
すごくもったいないし、広い古民家に一人はちょっと寂しい。弄ったら4人くらい行けるんじゃないかと思う。
Wi-Fiもカフェスペースに届かなく、せめて飲食として使えないならそこがワークスペースなら最高なのにな、と思った。
ただ、拠点を取り巻く「人」がとても良く、すごく気持ちのいい環境にしてもらえた気がする。
次は鹿児島。
ここは自腹で1週間。
ちょっとかかっちゃうけど鹿児島初めてだしいいかな。
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